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有限状態機械

ある発明を理解するため、「有限状態機械」という用語の理解が必要になった。Finite State Machine と言う。初め「有限状態機械」と言うからには、物理的な機械である、と思ってそのつもりでいたら、調べてみるうちに、「有限個の状態を持ち、入力とそのときの状態に応じて出力を生成し次の状態に遷移する」何物かであることが分かってきた。応用例は回路設計の自動化、通信プロトコル設計、生物学では神経系をモデル化、言語学では自然言語の文法をモデル化、とある。極めて広い、抽象度の高い概念である。結局「計算モデル」らしい。でもそれだけで分かった、とはならない。 有限状態機械とは5つ組M=(I,O,S,δ,λ)で表される。状態遷移表、あるいは状態遷移グラフを使うと理解しやすいらしい。状態遷移表、状態遷移グラフならよく見かけるし、その意味は分かる。調べると、状態遷移グラフの各節点が 有限状態機械の各状態に対応するという。節点から次の節点に移動すると、「有限状態機械の状態」が遷移した、ということになる。このような状態遷移を実現するモデルを有限状態機械と言う、ということがだんだんとわかってきた。しかし「機械(Machine)」と名づけられているのが腑に落ちない。歴史的な経緯があるのだと思うが、普通クレームで、何々する機械と書けば文字通り受け取られるので、「何々する第1の機械」、「何々する第2の機械」などとと書くのは好ましくないだろう。「有限状態機械」と言う用語のみ使うのが許されるだろう。ここまで予備知識を付けて、発明の理解に取り組んでみる。また分からなくなれば、インターネットや参考書を開く。こんなことを繰り返してほぼ全体が理解できたらOKである。こんな技術理解に時間を費やし、文章を書くのが、私の日々の仕事となっている。(丸山)