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タイ・バンコクへの出張

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先日、タイのバンコクで開催されたとある会合に参加するついで、現地の特許事務所を訪れてきました。

基本的には表敬訪問ですが(+ちゃんとウチの仕事やってねという言葉にならないお願い)、現在タイでは商標法改正の作業が進んでいるため、その進捗や他の実務運用を確認する目的も兼ねてです。

商標法の改正にともない、タイがマドリッドプロトコル(国際的な商標登録出願制度)に加盟する予定です。しかしながら、2014年中といわれていた施行時期はまだまだ不透明だそうです。最悪、タイムリミットの 2015年になるかもしれないとのことでした(この年までにマドプロに加盟しましょうねと、ASEANがメンバー各国に求めています)。

タイでは、特許・商標等の知財権利化の仕事は大手事務所の寡占状態です。特許は大手2事務所で大体60%ほど、商標に至っては80%ぐらいを占めていると言われています。実際、取り扱っている企業の名前を聞いても、コンフリクト大丈夫なの?と思ってしまうような状態です(侵害品を展示している事務所がありましたが、日本では熾烈な競争関係にあるA社とB社の商品が隣り合わせで置いてありました)。その他は、取扱量の多い事務所がもう1カ所ぐらいあり、あとはかなり小ぶりになるそうです。商標は、現地事務所が願書・意見書等を内作していますが、特許は外部の学者や技術者に明細書を書いて貰っているところが多いそうです。

ある事務所にお伺いしたとき、タイ人の国民性に話が及びました。日本人よりも義理人情に動かされる部分が大きいようで、直接会い、食事を一緒にするなどして親近感を持った人のためなら、やはり一生懸命頑張ってしまうとのことでした。これって美徳ではありますが、少し大きな目でもって「民間と役所」のような関係にまで思いを致すと、痛し痒しだろうなあと思ってしまいました。

バンコクという街ですが、昨年訪れた古都チェンマイに比べると、ほんとに「大都会」でした。街には怪しい雰囲気もあり少し緊張が走る瞬間もありますが、わざわざ危ない地区に行かない限り、総じて安全な感じでした。食べ物は美味しいですし、フレンドリーな人も多く好印象です。中にはフレンドリーに近づいてきて、ぼったくろうとするヤカラもいないではないですが...。(最初の日だけで3回ほど詐欺に会いそうになった私です。)

そのような例外的?なヤカラは別にして、タイの人達は全体的に信頼の置ける人間性の方が多い印象で、日本企業が多数進出しているのも頷けました。ちなみに、タイへの海外投資のうち、実に半分が日本からのものだそうで、経済的に日本には感謝しているという声もきかれました。今後も両国の関係を大切にしていきたいものです。 (竹原)